体のメインエネルギーはケトン体だと思う理由

これまでの知り得たことをベースとして、糖質制限による実感も踏まえるとケトン体がメインエネルギー源だと理解しています。

「メイン」というのは、ベースという意味を含みます。

ケトン体の特徴

  • 血液中に高濃度でも問題ない
  • 材料は脂肪。誰でも10%程度は使える
  • 脂肪は、長期安定保存できる
  • エネルギー生産効率が高い(12ATP)
  • 一つの細胞にミトコンドリアは数百~数千存在
  • 呼吸で酸素を取り込んでいるのが何よりの証拠
  • 筋肉の有酸素運動時のエネルギー源
  • 安静時は、ケトン体割合が圧倒的に多い
  • 脳のニューロンは、ケトン体も使える

ケトン体とは何者でどのような働きがあるのか、また、なぜメインエネルギー源と言えるのかについて、ブドウ糖の解釈に対する反証を踏まえながら解説していきます。

ケトン体は長期保存できる

ケトン体は、体内の中性脂肪を使用して作られるのでブドウ糖より一手間多くなります。

言い換えると、中性脂肪という安定した形で長期保存できる形になっているということです。

安定保存できるよう変換することで、必要な時に少しずつ取り出せるという利点が生まれます。

解釈の間違い①

脂肪として保存される状況を曲解した結果、「脂肪は後回しにされる=ケトン体はメインエネルギー源ではない」と考えられてしまっていると言えます。

ブドウ糖は優先的に処理される

高血糖になると、ブドウ糖が優先的に処理されます。

体内では、ブドウ糖しか使えない組織もあるのでグリコーゲンとしての備蓄も必要となります。

解釈の間違い②

この状況だけを見ると、「体内に必要だから処理が早い」という誤解が生じます。

また、高血糖になると、視床下部から側坐核を経由してドーパミンが分泌され、膵臓のβ細胞からインスリンの追加分泌が起こります。

解釈の間違い③

ドーパミンのもたらす快楽による「美味しい」という認識を誤認し、「体にとって必要だから美味しく感じる」という誤認が生じます。

もしも、「快楽を感じる食品=体に良い」なら、覚醒剤も体に良いという破綻した論理になります。

中性脂肪が必要な理由

ケトン体は、一旦、中性脂肪に変えて貯蔵すべき明確な理由が存在します。

基礎代謝に必要なエネルギー源の確保のためです。

人間を含め、動物は常に食事をしているわけではありません。

睡眠中のような絶食状態でも生体活動を維持するために、体内に蓄えているエネルギーを使用しています。

体内に貯蔵しているエネルギー源は、グリコーゲンと中性脂肪の2種類がありますが、安静時のエネルギー消費割合は、ブドウ糖が1に対して、ケトン体が9程度と言われています。

安静時のエネルギーバランス

  • ブドウ糖:1割
  • ケトン体:9割

また、ブドウ糖は、糖新生という方法で体内の材料を組み合わせて作り出すことができます。

解釈の間違い④

基礎代謝のほとんどをケトン体(中性脂肪)が占めるのに、筋肉での使用割合が多いことやブドウ糖しか使えない組織があることから、ブドウ糖がメインと考えられてきたようです。

からだの成分構成

体の成分構成を見ても、貯蔵エネルギー源のほとんどが脂質です。

ケトン体はエネルギー効率が高い

ケトン体がメインエネルギー源と言える理由は、エネルギー効率の良さからも言えます。

ブドウ糖からエネルギーを取り出す解糖系では、細胞の細胞質を使い1回あたり2ATPのエネルギーしか生み出しません。しかも、副産物として乳酸が出ます。

一方のケトン体は、1回あたり12ATPのエネルギーを生み出すだけでなく、副産物を出さない完全な酸化分解が成立します。

エネルギー生産量の違い

  • TCA回路:12ATP+完全酸化
  • 解糖系:2ATP+副産物

さらに、1個の細胞にミトコンドリアは数百前後いると言われています。

細胞質は細胞あたり1つ、ミトコンドリアは、使用量に応じて数が増えていくのです。

酸素が無いと人は死ぬ

エネルギー生産効率による比較などしなくても、人間が酸素に頼って生きている事実が何よりの証拠です。

酸素は、TCA回路でエネルギーを生み出すために必要なものです。一方の解糖系は、無酸素でエネルギー源を生み出す回路です。

人間の筋肉に赤みが多いのも酸素を取り込んでエネルギー生産していることによる影響なので、TCA回路がメインであり、その原料となるケトン体が大半を占めると考えた方が理解は容易です。

ミトコンドリアの誕生秘話

趣向を変えて、ミトコンドリアの誕生秘話に触れておきます。

27億年前、私たち人類や動物の共通祖先「古細菌」は、ブドウ糖だけでエネルギーをつくっていました。

その頃、地球には酸素が存在しませんでした。

古細菌は「真正細菌」と共存するという進化を獲得し、真正細菌は、次第にエネルギー生産を引き受けるように進化していきます。

その後、地球では、シアノバクテリアの大量繁殖によって酸素が生み出されていきます。しかし、酸素は、細胞膜を破壊する危険物であり、細胞にとっての毒でした。

多くの細胞は、海底深くで酸素の影響が無い場所へと生息域を追いやられていったのですが、長い年月をかけて、真正細菌が酸素からエネルギーを作り出せるようになり、「ミトコンドリア」へと進化していったのです。

メインとサブの違い

エネルギー源の歴史で考えれば、ブドウ糖の方が古いですが、行程は複雑でも生産効率が良いTCA回路ができたことによって、少ないエネルギー量で効率的に活動できる形態を獲得していったと考えることができます。

ただし、ブドウ糖しか使えない組織もあるので、二つのエネルギー生産方法が共存する理想的な形ができあがっていったのではないでしょうか。

解釈の間違い⑤

ケトン体とブドウ糖は、お互いに足りない部分を補うことで成立しているのに対し、経済的な事情を背景に歪曲した解釈の結果、農作物に多く含まれる糖質がメインという位置づけがされています。

まとめ

基礎代謝の大半がTCA回路を使って酸素とケトン体でエネルギー生産しているので、ケトン体がメインと考えるのが妥当です。

体には、ブドウ糖も必要ではあるものの、糖新生でも作り出せるのでバックアップシステムは充実しています。

唯一、筋肉に強い負荷がかかった酸欠状態、もしくは、繰り返す運動でケトン体の供給が間に合わないとブドウ糖が使われやすくなります。

問題は、社会の都合によって解釈が曲げられ、不健康になっても糖質を避ける選択を持てない人が無数にいることです。

だからといって、脂質に振り切った食生活をしても内臓脂肪を増やしコレステロール異常値となるので注意は必要ですが、ブドウ糖がメインエネルギー源ではない反証として、ケトン体について理解しておくことをおすすめします。

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