体内のブドウ糖処理順序とインスリン分泌の害

現在までの知識と想像を元に、ブドウ糖の吸収経路を辿ってみました。

このページの内容はあくまでも私の予測ですが、専門情報でも賛否の分かれるものが多くネットで探しても答えが見つからないので、これまでの知識を元に体系化しました。

脂肪として蓄える理由

大昔、人間の祖先が樹上生活をしていた頃は、木の実などが主食だったと考えられています。

このあたりは、現在のチンパンジーなどがどのような食生活をしているのか見れば、ある程度予測できると思います。

特に、秋口になると木々の実りは増えますが、食料の不足する冬に備えて体内に安定した形で貯蔵しておくエネルギー源が必要です。

それが、皮下脂肪、内臓脂肪などの体脂肪です。

体脂肪として安定貯蔵することで、生命活動を維持します。

秋は脂肪を取り込む必要があるため食欲が増して食事量が増え、慢性的な高血糖を繰り返しインスリンの追加分泌が繰り返されます。

尚、果実には、ブドウ糖と果糖がバランス良く含まれており、血糖値を上げるブドウ糖はインスリンの分泌を促し皮下脂肪の貯蔵量を増やします。

一方の果糖は、速やかに代謝されて脂肪となるため内臓に蓄積することで、体脂肪をバランス良く増やすことができます。

品種改良による問題点

しかし、現代では年中食べられるだけでなく、品種改良でブドウ糖濃度が極端に高められているので注意しなくてはなりません。

高血糖となってインスリンの追加分泌が起こることは、秋の実りのみであれば血管を傷つけるほどでもなかったものが、年中無休でインスリン大分泌を繰り返すようになったことで色々な害を及ぼしています。

果糖は酔っ払わないアルコール?

科学に精通する専門家の中には、「果糖は代謝経路がアルコールと同じだから危険」という意見もあるようですが、これは、違う気がします。

そもそも、人間が自然の中で長い年月をかけて築き上げてきた生体システムでアルコール分解が前提という考えを疑うべきであり、本来は、果糖を代謝していた方法をアルコールの分解にも使えたと考えた方が自然です。

アルコールの起源は、穀物栽培によって糖を得られるようになってから9千年以上後のことです。人類史からすれば、「アルコールは毒性がある」という事実を知ったのはつい最近のようなものです。

人間が自己認識で「アルコールは不調を起こす=毒性がある」と認識していても、体の生体システムがどこまで認識しているかはわかりません。

①グリコーゲン貯蔵が優先

消費されたブドウ糖を抜きにすると、優先的にグリコーゲンとして貯蔵が始まります。

グリコーゲンの中でも、肝グリコーゲンが最初に貯蔵されはじめ、続いて、筋グリコーゲンや脳グリコーゲンとして貯蔵されていきます。

減ったらインスリン無しでも吸収される

筋細胞は、運動などにより筋グリコーゲンを消費するとグルコーストランスポーターの働きが活性化するとわかっています。

エネルギーを消費した組織は、インスリンがなくても取り込み可能です。

インスリンの小分泌

肝臓でグリコーゲンにならなかった一部のブドウ糖は、膵臓のβ細胞に入ることでインスリンの小分泌が起こります。

膵臓のβ細胞が最初にブドウ糖を取り込んで分泌されたインスリンは低濃度であり、トランスポーターに働きかけ吸収を促すのではなく、脂肪細胞の分解を停止し「脂肪蓄えモード」へと移行するためです。

小分泌されたインスリンにより脂肪の分解を止め、グリコーゲンとして貯蔵するのが第一段階という認識です。

②肝臓の働きを全身でサポート

肝臓のグリコーゲンがたっぷり蓄えられ、筋肉や脳にも十分行き渡っているような高血糖状態が続くと、察知した膵臓からインスリンの分泌が促されます。

肝臓内では、余ったブドウ糖を利用して中性脂肪を作り始めます。

今度は、血液を監視している司令塔の視床下部が血液の異変(高血糖)を察知し、処理にふさわしい方法としてインスリンの追加分泌を促します。

この時、側坐核から分泌されたドーパミンは、副交感神経を伝わり膵臓へと届き、インスリンの追加分泌が強化されます。

視床下部の使命は、血液の恒常性維持

視床下部は、体の安定を保つために、「血糖値を元に戻す」が最優先の課題となるため、インスリンの追加分泌を促しますが、インスリンが増えすぎると除去しきれない活性酸素が発生するので苦肉の策と言えます。

体の中では、グリコーゲンにできず余ったブドウ糖を安定保存するには中性脂肪化するしかないので、インスリンに頼るしかありません。

膵臓は肝臓のサポーター

こうして肝臓と膵臓の関係性を含めていくと、インスリンの追加分泌は、肝臓の負担を軽減するために体中の皮下脂肪に直接働きかける方法となります。

肝臓で中性脂肪が一極集中して作られ増え過ぎると、一時的な脂肪肝状態となり問題なので、皮下脂肪として分散するという意味でも理に適っているように思えます。

インスリンの役割の違い

  • インスリン小分泌:中性脂肪の分解停止
  • インスリン大分泌:中性脂肪の強制制作(活性酸素発生)

余ったインスリンは低血糖や認知症の原因

インスリンは、介入が強いぶん反動も強く出ます。

それが、低血糖です。

インスリンが大量に発生すると、血糖値が平常時に戻っても多めに余った状態となるため、必要以上にブドウ糖を細胞内に入れてしまいます。

実感では筋肉の震えが出る

私個人の実感では、血糖値が急激に下がると、手足の震え、体の冷え、そして、強い空腹感などの症状が現れます。

余ったインスリンは、インスリン分解酵素によって分解されますが、分解にはタイムラグがあり瞬間的に無くなることはありません。

この悪循環により、血糖値が急降下する度に空腹感が表れる状態を「反応性の低血糖」と呼ぶそうです。

さらに、インスリン分解酵素は、アミロイドβという認知症の原因となるたんぱく質の分解も兼業しているため、インスリンの分泌が増えるほど分解酵素を消費しアミロイドβが溜まることになります。

インスリンの分泌過剰は、認知症のリスクに繋がるのです。

インスリン出し過ぎでβ細胞死滅

ドーパミンの影響を受けたβ細胞は死滅していくことがわかっています。

ドーパミンD2受容体阻害剤(ドンペリドン)を用いると、β細胞の細胞死が阻害できることを裏返した理解です。

インスリンの作用については、「毎日食事でインスリンを出した方が高血糖になりにくい」という情報もあるようですが、「高血糖を繰り返す→β細胞が減る」という事実を踏まえると間違った情報と言えます。

空腹時高血糖となる頃には、4分の1ほどのβ細胞が死滅しているそうです。

まとめ:インスリンは低分泌が最適

生きるために脂肪を蓄える必要性に迫られていた頃は、インスリンを大量に分泌してでも脂肪を増やす必要がありました。

また、肝臓をサポートするという意味でも、インスリンの作用が必要です。

しかし、糖質が簡単かつ大量に摂取できる時代となったことでインスリンの大分泌で疲弊したβ細胞は死滅し、慢性的な高血糖となり糖尿病への一途を辿っている人が無数に居ます。

インスリンの発生によって活性酸素が増え血管を傷つけるばかりか、インスリンを分解する酵素が忙しくなり、アミロイドβの分解が遅れることで認知症のリスクも助長しています。

これらの情報を踏まえると、インスリンは低分泌を維持できるような食生活が重要なのは言うまでもありません。

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