以下の人に向けた情報です

このページは、以下のような人へ向けて書いています。

  • 食後に身体がだるくて仕方ない
  • 原因不明の体調不良が続いている
  • 毎日、疲れが抜けず眠くて仕方ない
  • 強い空腹感が頻繁に起こる原因を知りたい
  • ご飯がなぜ主食なのかわからない
  • 糖質が何者なのか詳しく知りたい
  • 糖質制限に興味がある、すでに行っている
  • 糖質制限している人の話を聞きたい
  • 健康のために血糖管理が必要だと感じている
  • 甘いものが好きで将来に不安がある
  • 将来、糖尿病には絶対なりたくない
  • 糖尿病を治したいと思っている
  • 家族の糖尿病対策に情報を探している
  • 妊娠糖尿病に不安がある

内容としては、ブドウ糖(糖質)が身体のメインエネルギー源ではない理由、本当のメインエネルギー源がケトン体である理由をそれぞれ解説しているため、それなりのボリュームがあります。

ブドウ糖やケトン体の説明は、書籍や独自に収集した情報を統合し私自身の糖質制限による経験を踏まえて体系化したものですが、このページを読めば、糖質との距離の取り方を考えるきっかけになると思います。

書いている内容をまとめると、「糖質制限でも十分な糖質が摂れていて、それ以上は、身体に負担をかけながら中性脂肪になるだけ」ということです。

特に、空腹状態から高糖質食品だけを食べる生活を繰り返すと食後高血糖の害を受けやすくなります。

毎日それなりの重労働なら糖質を多めに摂取しても害は限定的だと思いますが、その場合も空腹からの高糖質食品は控えた方が無難です。

こんな場合は、食後高血糖かも?

食後や空腹時に以下のような自覚症状がある場合は、食後高血糖の害を受けている可能性があります。

■食後

  • 身体がだるくなる、必ず眠くなる
  • 皮膚がチクチク痛む感じがする
  • 急に頭が働かなくなる
  • 肩や首が突っ張る
  • 炭水化物が少ないと満足感が足りない

■空腹時

  • 食事を考えると空腹感が出る
  • 強い空腹感が出やすい
  • お腹がムカムカすることがある
  • 空腹状態だとフラフラしやすい
  • 手や指先が震える

■食後高血糖とは

高糖質な食事により、血液中のブドウ糖が急増し血糖値が急上昇した状態です。

インスリンの分泌と効き目が出るまでにタイムラグがあるため、血糖値が元の状態に戻るまで数十分~数時間かかります。

一般的には、「食後は、身体がだるくなる(眠くなる)もの」と思われていますが、私が糖質制限を始めてからは、食後のだるさはほとんど出なくなりました。

つまり、「身体がだるい=食後高血糖」と、私は認識しています。

実際に血糖値測定器を使って検証を続けてきた結果、血糖値が急激に上がるような高糖質食の場合に限り、身体がだるくなるとわかりました。

また、そこまで血糖値が上がらなくても、食パンのように糖質が大半の炭水化物食品だけを食べたときも同様にだるくなることが多いです。

いずれにしても、食後高血糖が頻繁に起こるということは、膵臓の機能が低下している恐れもがあります。

私自身、年齢を重ねるごとに食後高血糖の実感が増えているがあるため、これまでの高糖質食の影響で膵臓が疲弊していると思われます。

食後のだるさと糖質過剰の関係

食後に身体がだるくなる原因が高糖質食にある理由は、食事内容別のエネルギー消費量からも読み解くことが出来ます。

■食事内容別のエネルギー消費量

  • 糖質:6%
  • 脂質:4%
  • たんぱく質:30%

糖質制限の第一人者である江部康二先生によると、食事内容によって消化に用いるエネルギー消費量が異なるそうです。

この通りなら、肉だけを大量の食べた時が最もエネルギーを消費するので、糖質だけの時より5倍もだるくなるはずです。

しかし、肉や脂質だけ食べた時は身体がだるくなりません。

だるさの実感は、血糖値測定器が無くても食べ比べれば確認できます。

また、大半がたんぱく質と脂質の肉類にも糖質は含まれているので、必要な糖質は、自然と摂取できているものです。

■私の昼食後の血糖値

以下は、もめん豆腐1丁、スライスチーズ2枚、卵2個、ウィンナー1本、リーフレタス数枚を昼食に食べた時の私の血糖値(食後1時間値)です。

この日は、空腹時が71mg/dlだったので30近く上がっています。

糖質制限食でも糖質は自然と摂れてしまうので、主食(炭水化物)のようにほぼ糖質だけを摂る目的で食べる必要は無いとわかります。

いずれも、余ったブドウ糖は、インスリンの強制介入により活性酸素を伴いながら中性脂肪になるだけです。

高血糖は、終末糖化産物を増やす

高血糖が繰り返されると血液中の余剰なブドウ糖とヘモグロビン(タンパク質)が結合し、終末糖化産物へと変わります。

終末糖化産物の量が少ないうちは血管の弾力性を損ねたり、シミやシワ、たるみの原因となり、重症化すると脈硬化を引き起こし合併症状へと繋がっていきます。

終末糖化産物の厄介なところは、一旦できてしまうと中々消えず、年数が経過しても動脈硬化の原因として残りやすいことです。

また、インスリンの追加分泌は活性酸素を発生し皮膚炎を引き起こすリスクがあるばかりか、老化の原因ということもわかってきています。

アトピーやアレルギーも高血糖が関与しているかもしれません。

糖尿病リスクの少ない若い世代でも一時的な高血糖の度に身体に負担がかかり、その積み重ねが将来的な糖尿病のリスクとなっていると考えるのが妥当です。

血糖値が140mg/dl以上になると、血管はダメージを受けている疑いがあると言われています。

私は甘いものが好きなので、ダメージを積み重ねてきたと思われます。

ブドウ糖は、身体の非常時用エネルギー

「人のメインエネルギー源は、ブドウ糖」

これまで、主食という概念を浸透させるためによく言われてきたことですが、間違いです。ブドウ糖(糖質)は、メインエネルギー源ではないとはっきりしています。

本当のメインエネルギー源は、ケトン体という脂肪酸です。

では、なぜ「ブドウ糖メインエネルギー源説」が生まれてしまったのか、一つずつ紐解いていきます。

■人のエネルギー源の種類と意味

まず、人間の使えるエネルギー源には、ブドウ糖とケトン体の2種類が存在します。

ブドウ糖とは、グルコースのことで、いわゆる炭水化物と呼ばれるものに含まれる主要な糖質です。

ケトン体は、体内エネルギー源になる脂肪酸と覚えておくと簡単です。

βヒドロキシ酪酸にはケトン基が無いので厳密にはケトン体とは違うそうですが、長年の慣習でこうなっているそうです。

■保存場所の違い

体内で、ブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉、脳内に保存されますが全体量は数百g程度です。

一方のケトン体は、中性脂肪から取り出すので体脂肪率に応じて多くなります。体重60kgで脂肪が15%なら9kgになるので、グリコーゲンより圧倒的に多いです。

ブドウ糖がメインエネルギー源とは言えない理由は、以下の事実が物語っています。

  • 安静時は消費量が少ないこと
  • 人が酸素依存度が高いこと
  • 余ったブドウ糖は、中性脂肪になること
  • 身体の成分構成から見ても貯蔵量が少ないこと
  • 血液のブドウ糖過剰で病気になること

高血糖により余ったブドウ糖は最終的に中性脂肪となり、中性脂肪になったらブドウ糖に戻らずケトン体に変わります。

さらに、内臓の基礎代謝、安静時の筋肉活動などは、ほとんどがケトン体をエネルギーとしているのでブドウ糖が必須ではないことがわかります。

このあたりの理由を踏まえて、より具体的に確認していきます。

からだの成分構成で糖質は1%未満

私たちの身体は、平均的には以下のようなバランスで構成されているそうです。

  • 水分:約63%
  • たんぱく質:約16%
  • 脂質:約15%
  • ミネラル:約6%
  • 糖質:1%未満

このように、糖質の貯蔵量は全体の1%未満です。

対して、ケトン体の原料である脂質は十分な量です。

たんぱく質が脂質と同量程度に多いのは、骨格筋を構成する成分であるほか、無数の体内ホルモンの原料、さらには、糖新生でブドウ糖を作り出す原料にもなるためと考えるのが妥当です。

■体内の糖質貯蔵量

一方、糖質(グリコーゲン)の貯蔵量は、以下のような内訳になっているそうです。

  • 肝グリコーゲン(肝臓内):90~150g
  • 筋グリコーゲン(筋細胞内):100~400g
  • 脳グリコーゲン(脳内):調査中

食事で血液中に取り込まれたブドウ糖は、一部が肝臓、筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されます。

また、脳にもブドウ糖を貯蔵できることがわかっていて、グリア細胞というミトコンドリアを持たない組織内に多く集められているそうです。

グリア細胞については、後述します。

いずれにしても、糖質は貯蔵量が圧倒的に少ないことから、体内に蓄えておく必要性の薄いエネルギー源だとわかります。

余ったブドウ糖の行き先

グリコーゲンとして貯蔵されず余ったブドウ糖は、肝臓で中性脂肪に変えられます。

しかし、急激な血糖値の上昇でブドウ糖の処理が間に合わないと膵臓のβ細胞からインスリンが分泌され、筋細胞や脂肪細胞に強制的に吸収させるという流れです。

この時、インスリンの影響で細胞内に活性酸素が発生します。

細胞内に発生した活性酸素は酵素の働きで除去されますが、繰り返しインスリンが分泌されることで除去が間に合わなくなり、細胞や血管を傷つけてしまいます。

さらに、高血糖により活性酸素を除去する酵素にブドウ糖がへばりつき、酵素の働きが阻害されるようになります。

■血中ブドウ糖消費順序(想像)

これは、現時点での知識を基にした想像ですが、食後高血糖で何が起こっているかを表してみました。

朝食で十分な糖質を摂り数時間後に昼食では、レッドゾーンを解消できません。

グリコーゲンの貯蔵量がリミット状態だと、昼食で摂取したブドウ糖の大半は、インスリンの追加分泌を受けながら中性脂肪に回されることになります。

■糖質+脂質が太る理由

血液中の遊離脂肪酸にはリミットとなる濃度があるため、脂質だけ摂取してもさほど太りません。

しかし、糖質と一緒に摂るとインスリン分泌の影響で遊離脂肪酸の取り込みが促進するため、小腸から脂質吸収が再開され太りやすくなるのです。

少なくとも、現代の食生活では貯蔵に回る方が圧倒的に多いので少しずつ害が蓄積し、軽度のうちは体調不良や皮膚炎として現れ、重くなるに連れて糖尿病が見えてくるのだと思います。

太らないためのカロリー制限として、脂質を減らし高糖質食品ばかり食べていることも皮膚炎の原因となり得ます。

ブドウ糖は、消費期限が短い

ブドウ糖がメインエネルギーと誤解された理由は、優先的に処理される条件下にあるということからも説明がつきます。

ケトン体は肝臓で中性脂肪から分解するという一手間多いことに対し、ブドウ糖は、食事で消化吸収されると血液中にそのまま溶け込むので、血液中にある余剰分をすぐに使える状態にあります。

これが、運動直後ならブドウ糖は最適なエネルギーとなりますが、安静時は、ほとんど消費されず余ることになります。

また、消耗した筋細胞の他に、ブドウ糖依存度の高い組織が優先的に取り込めることも誤解の原因になったと思われます。

余ったブドウ糖は、放置しておくと終末糖化産物の原因にもなる消費期限の短い不安定なエネルギー源なので、早めに処理しなければ身体にとって有害です。

しかし、体内で使われるエネルギー源でもあるため毒として認識されず、高血糖が慢性化すると害の方が目立ってくることになります。

動脈硬化は、コレステロールが原因だと誤認されてきましたが、実際は、コレステロールが血管を修復しています。脳出血は動物性脂肪を多く摂るほど予防できることもわかってきています。

動脈硬化を起こす原因は、ブドウ糖がたんぱく質に結合することで血管に傷が増える「糖化」と、高血糖の繰り返しでインスリンが分泌された時、細胞内に発生する活性酸素を除去しきれなくなった結果だそうです。

いずれも、糖質の過剰摂取が引き金です。

ブドウ糖は、運動や重労働で消耗した場合、または、体内のブドウ糖依存度の高い組織が消費した時には多少必要性が増すことがあっても、常時摂取すれば害の方が際立ってくることがわかります。

こうして、ブドウ糖(糖質)必要性の拡大解釈が現代の食生活の基盤となり、身体が余剰ブドウ糖の処理を強いられ続けた結果が健康問題に起因しているのは、容易に想像できることです。

HbA1cが高いということは?

血液中の余剰なブドウ糖が害である理由は、HbA1cの数値が糖尿病合併症のリスクと繋がっていることからもわかります。

高血糖の繰り返しによるインスリンの影響、終末糖化産物が増える影響で毛細血管がもろくなり、体中に支障をきたすようになります。

腎障害も高血糖によるものと思われてきましたが、実は、インスリンの過剰投与による害が大きいようです。

糖尿病でHbA1cの数値が高くなるのは、肝臓にも筋肉にも行き場がなく、中性脂肪に変換されるのも順番待ち状態の余剰ブドウ糖が血液内に長期滞留し、ヘモグロビンと結合してしまった状態と考えられます。

生体活動での消費、肝、筋、脳でグリコーゲンとしての貯蔵以外は、すべて中性脂肪に変えられること、そして、HbA1cの数値が糖尿病のリスクとなることから、糖質(ブドウ糖・グリコーゲン)が身体の1%未満で十分な理由がわかります。

HbA1cは、専用の測定器によって測ることができます。

この数値が「6.0%」を超える位になると、終末糖化産物が増えていて糖尿病目前となり、「6.5%」を超えると糖尿病という扱いになります。

糖質制限している私でも、どうにか現状維持できている状態です。

ケトン体は、長期保存できる

一方、本当のメインエネルギー源であるケトン体は、体内の中性脂肪を使ってしか生産できないので、ブドウ糖より一手間多くなります。

また、身体は余剰ブドウ糖を血液中から減らすことを優先している状況です。インスリンは脂肪合成を促進するホルモンなので、ケトン体生産は中断されます。

それに、ケトン体の材料である中性脂肪は、皮下脂肪などで沢山保存可能という消費期限の長い安定したエネルギー源なので、焦って取り出す必要もありません。

そもそも、中性脂肪化して貯蔵すべき明確な理由があります。

基礎代謝です。

寝ている間も休まず稼働し続ける各種臓器に、エネルギー源を安定供給するシステムが中性脂肪なのです。

食料の保存しやすさが前提を変えた?

ブドウ糖がメインエネルギー源という誤解を生んだのは、人類が1万年以上に渡り炭水化物に依存した食事をしてきた事実が大きく関与していると思われます。

なぜ中性脂肪として蓄える必要があるのか考えず、ケトン体の存在に気づかないまま研究が進んだのでしょう。

ブドウ糖は、主食と言われてきた穀物に共通して多く含まていれる成分であることに対し、ケトン体は、中性脂肪からしか生産できないため確認困難な存在だったという違いがあります。

では、どこではき違えたのでしょうか?

冷蔵庫が普及する前の時代までは、「食料をいかに貯蔵するか」という世界共通のテーマがありました。

長期保存に最適な穀物に含まれている共通成分であるブドウ糖は、「食品に含まれる栄養がそのままエネルギーになる」という思い込みの後押しを受け、現在に至ると想像できます。

解糖系が低エネルギーな理由

人体のエネルギー生産方法は、以下の2種類です。

  • 解糖系:ブドウ糖を使用
  • TCA回路:ケトン体を使用

まず、ブドウ糖を利用したエネルギーの生産方法の「解糖系」は、酸素を必要としません。このことを「嫌気呼吸」と呼ぶそうです。

解糖系では、細胞内の細胞質がブドウ糖を取り込み分解することでエネルギーを取り出します。しかし、エネルギー効率は悪く、副産物のピルビン酸が発生します。

その後、ピルビン酸は、酸素が無いことで乳酸へと変化します。

■解糖系の特徴

  • 酸素を使わない
  • 低エネルギーしか作れない
  • 最終的に乳酸を出す

このように、私たちがメインエネルギー源だと思っていたブドウ糖は、生産効率の悪い低エネルギー源ということになります。

私は、高糖質食品を食べてしばらくすると、末端の冷えや手の震えを感じることがありました。エネルギー効率の悪いブドウ糖依存による影響だと思われます。

一方、筋肉では、大きな力が必要な時に無酸素でエネルギーを生み出せる解糖系の利用を増やすため、優先順位に影響したのだと思われます。

しかし、大きな力を生み出すほど動かせる回数にすぐ限界がくるように、効率的なエネルギー源とは言えません。

ケトン体が高エネルギーな理由

ケトン体を使ったエネルギー生産では、ミトコンドリアによるTCA回路を用いてケトン体やピルビン酸を酸化してエネルギーを作り出します。

この時、ケトン体は、完全に酸化されるので無駄なものが出ず、乳酸のような疲労物質も出ない高効率のエネルギーが作られます。

一度に生産されるエネルギー量は、解糖系(ブドウ糖)の2ATPに対して6倍となる12ATPです。

ミトコンドリアは、一つの細胞内に数百~数千も居るそうです。

また、私たち哺乳類が常に呼吸を続けていることからも、ミトコンドリアによるエネルギー生産が主であり、ミトコンドリアが使うケトン体がメインエネルギー源であると考えた方が理解が容易です。

身体に酸素が必要なこと、ミトコンドリアが圧倒的に多いこと、エネルギー生産効率が高いこと、そして、材料となる脂質の貯蔵量が多いことからも、ケトン体がメインエネルギー源である条件が揃っているとわかります。

解糖系→TCA回路から糖質量を決める

一つ気をつけておきたいのは、「(ブドウ糖)→解糖系→(ピルビン酸)→TCA回路」という流れでエネルギーが作られる可能性です。

解糖系でブドウ糖からエネルギーを取り出し、副産物のピルビン酸をTCA回路に送りエネルギーを得るという流れです。

これが実際に行われているのかを知るためには、安静時の消費エネルギーバランスが参考になりそうです。

■安静時の運動エネルギーバランス

  • 解糖系(ブドウ糖):1割
  • TCA回路(ケトン体):9割

この対比なら、解糖系で出されたピルビン酸は量が少なく、そのままTCA回路で使われるというのも考えられそうです。

しかし、「解糖系→(ピルビン酸)→TCA回路」が成立するのは、あくまでも安静時の糖質を摂っていない時の話に思えます。

なぜなら、汗臭の原因であるジアセチルという物質は、皮膚表面の乳酸を常在菌が分解して作り出します。乳酸は、解糖系の副産物であるピルビン酸だったものです。

つまり、汗に乳酸が含まれているということは「解糖系→TCA回路」は完全にピルビン酸を消費しきれていないことになります。

この状況を引き起こしているのも糖質です。

高血糖になると、インスリンの追加分泌の影響で筋細胞にブドウ糖が入り、一部は発熱に利用されるため、肥満になるほど汗が臭うのは高血糖による発熱で溢れた乳酸だとわかります。

汗が臭くなる原因からも読み解けるように、「解糖系→TCA回路」が実際に稼働していても処理には限度があることになります。

ミトコンドリアの誕生と酸素獲得

人類や動物の共通祖先である古細菌は、元々ブドウ糖のみを使ってエネルギーをつくっていたそうです。そこに宿った真正細菌がミトコンドリアへと変わり、酸素からエネルギーを作り出せるように進化していきました。

また、酸素が地球全体を覆うようになったのは、光合成によって酸素を生み出すシアノバクテリアという細菌が地球規模で大繁殖したためだそうです。

地球環境が変化し、ミトコンドリアを宿す細菌が誕生し、酸素を使うようになったことで私たちには肺があり、寝ている最中も呼吸を止めないことからも、酸素不用なブドウ糖がメインエネルギー源ではないことがわかります。

また、人類は少なくとも500万年の歴史があると言われており、農耕を開始し穀物(糖質)依存するようになってからは、1万年弱程度と考えられています。

疾病率も糖質の摂取量とともに増えてきたとわかっているそうです。

日清戦争当時は、白米ばかりを食べていた日本兵およそ5万人が脚気になり、2,400人以上が死亡したそうです。

筋肉がブドウ糖を欲する条件

筋肉に強い負荷がかかったり、中等度でも同じ動作の繰り返しで酸素の供給が間に合わなくなると、筋細胞はブドウ糖消費量を引き上げます。

低負荷時は、有酸素運動の範囲内なのでケトン体の割合が多く、高負荷時は、酸欠状態になるのでブドウ糖を増量しエネルギーを作り出します。

筋肉は、細胞内のブドウ糖を消費すると、減った分を取り込むように仕組まれているそうです。この時、インスリンの働きは関与しません。

少し前までは、スイッチのように切り替わるのだと思っていましたが、運動負荷により天秤のように対比が変わるそうです。

低負荷でも高負荷でも両方とも活動しており、筋肉に高い負荷がかかった場合は、足りない分を解糖系(ブドウ糖消費)が補っているそうです。

やはり、サブエンジンであることが当てはまります。

メインエンジンは、ケトン体を使うミトコンドリアのTCA回路、そして、突発的に補助エンジンを稼働させてブドウ糖を使いエネルギーを得ていると考えれば、細胞内のエネルギー生産方法が酸素使用の有無で分けられている理由としても納得できます。

ブドウ糖依存で疲れやすくなる?

私自身が糖質制限を続けて明らかに疲れにくくなった実感から、ブドウ糖依存と疲れやすさに関係があるように思いました。

ブドウ糖依存度の高い食生活を続けると、血液中のブドウ糖を減らすために身体が稼働し続けることになります。

身体は、優先して「まずは、余剰なブドウ糖を処理する」と動いているので、ブドウ糖貯蔵をし続けている間は、中性脂肪を増やすためケトン体を作ることができなくなります。

こうして、メインエネルギー源であるケトン体が血液から不足し、エネルギーが減ることで筋力が落ち、筋力が落ちたことで低負荷の運動でも無酸素運動が起こるという悪循環を起こしている可能性です。

これが、いわゆる基礎体力の低下なのではないでしょうか。

体内でブドウ糖しか使えない組織

ただし、ブドウ糖の必要性がほとんどないということはなく、身体の中には、ブドウ糖しか使えない組織がいくつかあるとわかっています。

■ブドウ糖しか使えない組織

  • 脳内のグリア細胞
  • 赤血球
  • (がん細胞)

■グリア細胞について

脳内には、ニューロンという神経細胞とニューロンを支えるグリア細胞があります。グリア細胞は、ブドウ糖を消費しニューロンに乳酸を届けているそうです。

グリア細胞というのは総称で、以下の3つに分類されます。

  • アストロサイト
  • オリゴデンドロサイト
  • ミクログリア

このうちアストロサイトは、グルコース(ブドウ糖)を乳酸に代謝したのち、モノカルボン酸トランスポーターを介してニューロンに供給しているとありました。

近年、ニューロンはケトン体や乳酸でエネルギーを生産していることが分かっているのでTCA回路で動いています。また、脳内にもブドウ糖を脳グリコーゲンとして貯蔵でき、その多くがグリア細胞にあることからも関連性が見えます。

つまり、脳内では、ニューロンという思考を司る重要な組織がケトン体と酸素を消費し続けるため、グリア細胞は、酸素を使わないエネルギー生産を行い、その副産物を有効活用しているように思えます。

この流れも、安静時の筋肉と同じくらいの割合なのかもしれません。

■安静時の運動エネルギーバランス

  • 解糖系(ブドウ糖):1割
  • TCA回路(ケトン体):9割

ちなみに、脳の活動と血糖値には関連性はなく、脳は低血糖でも高血糖でも消費エネルギーは、さほど変わらないそうです。

ブドウ糖は一定量は必要ですが、体内に十分に貯蔵されているので問題ありません。それに、足りなくなれば、アミノ酸を分解して糖新生で作り出せます。

人間は肉からブドウ糖を作り出せる

まず、糖新生とは、解糖系の副産物であるピルビン酸や肉に多いたんぱく質(アミノ酸)などからブドウ糖を作ることです。

私は、極端な食事制限を半年続けた結果、体重を60kgから53kgまで落としたことがあります。途中からスポーツジムに通い体脂肪は5%を下回りました。

結果、トレーニングをすればするほど筋肉が落ちていきました。

これは、ブドウ糖が常に少ない状態になると筋肉が分解されて糖新生が起こった証拠です。つまり、糖質を摂らず低血糖が続いても、体内でブドウ糖を作り出せるので問題無いということになります。

今は、たんぱく質を十分摂取しているので61kg前後(身長:170cm弱)で安定しています。

また、食事で十分なタンパク質が摂取できた場合、食品中のたんぱく質が優先して利用されて糖新生が起こるとも考えられています。

この場合の糖新生は、血糖値が低い状態という条件付きだと思います。

そもそも、人間は肉食割合の高い動物であるということは、草食動物のような草の繊維を腸内で分解しアミノ酸を生み出す微生物が居ないことからもわかります。

その点、肉を食べれば、たんぱく質と脂質の両方を補え、どちらも余すことなく栄養とエネルギー源(ブドウ糖・ケトン体)になります。

赤血球がブドウ糖しか使えない理由

赤血球には、ミトコンドリアが無いためブドウ糖のみをエネルギー源としています。

ミトコンドリアがない理由は、酸素を運ぶという役割を担っている都合上、ミトコンドリアを宿すと酸素が使われてしまうからと考えられています。

ただし、赤血球がブドウ糖100%依存だからと言って、食事の度に糖質を優先すべき理由にはなりません。赤血球のブドウ糖は、肝グリコーゲンから補給できます。

食後に血糖値が上がってすぐ戻らないということは、血液中のブドウ糖を使う組織がほとんどなく十分に余っているからと考えるのが妥当です。

ただし、がん細胞は、ブドウ糖を多く消費します。

がん細胞もブドウ糖しか使えない

脳のグリア細胞、赤血球の他では、がん細胞も100%ブドウ糖依存です。

がん細胞は遺伝子の複製ミスで作られますが、増殖を繰り返すためにブドウ糖を大量に消費しているそうです。

一応、がん細胞内にもミトコンドリアがあるのですが、酸素を使う複雑なエネルギー生産経路だから使えないようです。

もしくは、高負荷の筋肉のように常に負担がかかり続けているので、単純に解糖系優位な状態なのかもしれません。

このことを知った時に思ったのが、糖尿病治療でのインスリン投与です。

糖尿病で体内にブドウ糖が余剰に溢れている状態のところに、もしも、がん細胞があったらどうでしょう・・・。

がん細胞のブドウ糖を運ぶ機関(グルコーストランスポーター)は、正常細胞よりも3~8倍も過剰に働いているそうです。

常時続く高血糖でブドウ糖をがん細胞に与え続け、さらに血糖値を下げるためのインスリンで強制的にブドウ糖をがん細胞に押し込むのでは、体内で培養しているようなものです。

糖尿病になると、糖尿病ではない人と比べて大腸がんは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も、がんを発症するリスクが高いことが日本糖尿病学会と日本癌学会による10年間の追跡調査でわかったそうです。

逆に言えば、ブドウ糖の供給を減らすことで、がん細胞の働きも抑制できることになります。

実際、動物のがん細胞を入れたシャーレにケトン体を投入すると、がん細胞が縮むことがわかっているそうです。

以上、「人にとって本当のエネルギー源は何か?」について、私の見解でした。

順を追って解説するために、思った以上の長さになりましたがご容赦ください。しかも、この後も続きます。

【まとめ】ブドウ糖とケトン体の違い

エネルギー源ごとの違いについて、要点を抜き出すと以下のようになります。

中には、私の解釈に基づくものも含まれています。

■ブドウ糖

  • 長期保存できない不安定なエネルギー源
  • 優先処理されるのは、悪影響があるから
  • 血中に長く滞在すると終末糖化産物を生み出す
  • 体内に1%未満しか保存できない
  • すぐ利用できるが、低エネルギー(2ATP)
  • 安静時は、1割程度の消費量
  • 主食に多い成分だったので誤解された
  • 食事で中性脂肪が増えたなら使われていない
  • 人類は、炭水化物を食べ始めて1万年弱
  • 筋肉の無酸素運動時に限り使用量が増える
  • 追加分泌のインスリンは活性酸素を発生する
  • 糖新生で体内でも作り出せる
  • 赤血球、グリア細胞のブドウ糖は肝臓で賄える
  • がん細胞はブドウ糖しか使えない

■ケトン体

  • 血液中に高濃度でも問題ない
  • 体内に15%程度は、誰でも保存している
  • 使うのに一手間多いが、高エネルギーを生む
  • 長期保存できる安定したエネルギー源(12ATP)
  • 体内にしかないので確認できなかった
  • TCA回路:1細胞=ミトコンドリア数百~数千
  • ミトコンドリアのために呼吸で酸素を取り込む
  • 呼吸=酸素=ミトコンドリア=TCA回路
  • 人類史500万年の大半が肉食(動物、昆虫など)
  • 筋肉の有酸素運動時のエネルギー源(常時)
  • 食後高血糖の原因にならない
  • 脳のニューロンは、ケトン体を使っている
  • ケトン体が減ると基礎体力が落ちる可能性あり

最終的には、「実際に糖質制限する前と後でどう変わった?」ということですが、私は、体調を壊すことも食後のだるさもなくなり快適に過ごせています。

健康診断以外では、病院に5年以上行っていない程度には健康です。

きっかけは、ファスティングの知識

私が糖質制限を始めた最初のきっかけは、ファスティング(断食)でした。

20代後半の頃、50代半ばだった父親が糖尿病と診断され、自分の将来が気になり出した時に手に取ったのがファスティングの本でした。

同じ頃、仕事で血糖値測定器を取り扱う機会があり、「食事制限しながら血糖値を測ってみれば、何か解決のヒントが見つかるかもしれない」と思ったのが動機です。

「そもそも、ご飯はなぜ主食?」

そして、30代に入り、「主食ご飯説」を疑わずに過ごしていた頃の私は、日に日に下腹部が出やすくなってきたことから、ふと疑問が沸きました。

しかし、ファスティングで得た知識を活用し私が最初に実践していたことは、極端なカロリー制限で根本的に間違っていたと後から気づきました。

その後、「炭水化物が人類を滅ぼす」という本に出会い、著者である夏井先生の探求力と情報量の多さに圧倒され糖質制限の必要性を実感したのです。

ただ、すぐに糖質制限したのではなく、最初は、食品ごとに血糖値がどのくらい上がるのか自分の身体を使って検証から始めました。

特に、パン、ケーキなど高糖質食品を空腹状態から食べるという実験が中心です。

その検証を繰り返していくうちに、食後のだるさと高糖質食に繋がりを感じ、自然と糖質制限を取り入れるようになっていったという具合です。

検証と並行して糖質制限に関する本を色々と読み進めていくうちに、糖質の一般常識を信じていたら、私もいずれは糖尿病だったと強く思いました。

糖質制限すれば、身体が安定する

私が血糖値測定器を用いて糖質制限を行うようになり、以下のような変化が身体に現れている実感があります。

  • 強い眠気が起こらなくなった
  • 強い空腹感が無くなった
  • 空腹が長くても平気になった
  • 風邪を引かなくなった
  • 口内炎ができなくなった
  • 吹き出物ができにくくなった
  • 便秘や下痢をしなくなった
  • 体重の増減が落ち着いた
  • 疲れにくくなった
  • イライラしなくなった
  • 集中力が増した
  • 頭が冴えるようになった
  • 目覚めが良くなった

他にも色々とありますが、共通していることは「身体の安定感」です。

以前は、強い空腹感で力が入らなくなっていたのが、今では、空腹時血糖値が70mg/dl前後でも軽く空腹感がある程度でフラフラすることもありません。

空腹時血糖値はこの位で安定しているので、空腹が多少長引いた程度でブドウ糖は枯渇しませんし、減っても糖新生で作り出すことができます。

他に糖質制限で変化したのは、精神的な落ち着きが増したことです。

便秘や下痢をしなくなったというより、内臓が常に一定の状態に落ち着いている感じがあり、勝手に湧き出るようなイライラ感がなくなりました。

糖質制限で体調が安定するようになったことで、感情が身体の影響を受けにくくなったのだろうと思っています。

食事内容による身体の落ち着き具合の違いは、ずっと感じていたのですが、糖質制限を意識的に行うようになってはっきりしました。

原因不明のイライラに心当たりがあるなら、糖質制限を試してみる価値はあります。

特に、食後にだるさが出る時に血糖値測定器を使うようにすれば、食品に含まれる糖質量との関連性が見えてくるので対策も取れるようになります。

また、糖質制限を日本に広めた江部先生は、担当の患者さんが糖質制限で糖尿病が改善しただけでなく、以下の症状が改善した人が続々と現れているそうです。

  • 逆流性食道炎
  • 偏頭痛
  • 潰瘍性大腸炎
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性鼻炎
  • ぜんそく
  • 尋常性乾癬

江部先生は、4000人以上の患者を見てきた経験も踏まえて「糖質制限を正しく実践すれば、生活習慣病全般に有効」と述べているので、体質と思って諦めていた慢性症状が糖質制限によって改善する可能性も十分考えられます。

糖質制限が一般化すれば、生活習慣病は過去のもとなるかもしれません。

血糖値測定器は誰が使ってもいいの?

「血糖値測定器は、糖尿病じゃなくても使える?」

使用可能です。

今となっては、健康管理の貴重な情報源として重宝しています。

糖質量が気になる場合や体調の変化がある時に測定してきたことで、身体の調子と血糖値の関係性が把握できるようになってきました。

また、急激な食後高血糖「グルコース・スパイク」を繰り返すと、動脈硬化のリスクが上がるので気をつけたいところです。

グルコース・スパイクとは、高血糖によってインスリン分泌が急増し、その影響で発生した活性酸素を除去しきれない状態が続き、血管が傷つく動脈硬化の原因です。

とくに、空腹からダイレクトに高糖質食品を食べることが多い場合は要注意です。

他でもない、私自身がそんな食生活を長年繰り返し糖質の害を経験してきたことから血糖値測定器を使うようになりました。

今では、糖尿病を管理するだけでなく、糖質制限による糖尿病予防のほか、日頃の体調を維持する目的で使うものだと思っています。

使用方法は、以下のページでご確認いただけます。

>>ACON血糖値測定器の使い方と初期設定

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